小児 てんかん 症状。 小児てんかん

てんかんの看護計画|発作時・重要発作時の看護と観察項目、薬

小児 てんかん 症状

これって、もしかして「てんかん」? 聖隷浜松病院てんかんセンターでは、毎日のように子どもの「てんかん」と向き合っています。 「1日に何回も意識が飛ぶ。 目つきが変わって呼んでも返事をしない」(5歳女児) 「しょっちゅう体がぴくっと動く。 たまに倒れて気を失う」(14歳女児) 「ときどき倒れる。 テレビゲームのときが多い」(12歳男児) この子たちは、てんかんと診断し、内服薬で治療を行いました。 今ではみんな良くなっています。 一方で、てんかんではないと診断したケースもありました。 「眠ると手足がびくっと動く」「走っていて倒れた」などです。 てんかんなのかどうか。 確実に見分けて、必要な治療を行う。 これが私たちの仕事です。 今日は子どものてんかんについて、治療の流れをお話ししましょう。 てんかんというと「手足の激しいけいれん」を想像される方が多いでしょう。 発作の種類は多彩です。 意識が残ったまま、体の一部分がぴくぴく動くこともあります。 動作が止まり、意識がぼんやりする発作もあります。 正しい診断の第一歩は、発作の様子を詳しく把握すること。 診察室で医師の目の前で発作を起こすことはまれですから、私たちは発作を目撃した人から様子を詳しくお聞きします。 「何をしているとき」「体のどこが」「どんなふうに」「どのくらいの時間」など。 子どもの発作を目の前にして、冷静に観察できすか?気が動転して、どうしていいかわらかなくなるのが普通でしょう。 でも、発作の観察は診断の精度に大きく影響しますので、しっかり見てほしいのです。 「両腕をびくんと突っ張って、頭を前に曲げる」。 生後9か月の赤ちゃんです。 一瞬の発作ですが、何回も繰り返して数分間続きます。 「点頭(てんとう)てんかん」でした。 これは乳児の重症てんかんで、「お辞儀をするように首を前に曲げ、両腕を上げる、一瞬の動き」を繰り返します。 お母さんはしゃっくりかなと思っていました。 まさか、けいれん発作だとは思わなかったそうです。 初期には症状が軽いことが多く、見過ごされやすいのです。 別の例を挙げましょう。 小学生の男の子。 日中は元気で何も症状がありません。 夜、眠っていると、大声を上げて暴れます。 手足を大きく振り回すのですが、すぐに治まります。 「夜驚症(夜泣き)」と区別が難しいですね。 この子の場合は脳波に異常があり、てんかん発作でした。 脳の電気活動を調べる検査法です。 電極を糊とテープで頭皮に貼り付けて記録します。 痛みはありません。 安全な方法ですから新生児でも検査が可能です。 脳波で「てんかん性発射」と呼ばれる異常波形を確認します。 てんかんは、脳細胞の過剰興奮によって発作を生じる病気です。 この過剰興奮を脳波で確認するのです。 通常は、普段の状態を脳波で調べます。 普段の状態というのは、発作がないときの検査のことで、これを「発作間欠期脳波」と呼びます。 特に眠った状態では異常波形を検出しやすいので、私たちは「睡眠時脳波記録」を重視しています。 発作間欠期脳波で診断を確定し、治療を開始するのが一般的です。 ところが、発作間欠期脳波に異常が現れないこともあります。 この場合、発作中の脳波を記録することができれば、診断精度がぐんと上がります。 これを「発作時脳波」と呼びます。 治療がうまくいっているかどうか。 薬物治療を始めて脳波が良くなったかどうか。 治療効果の判定にも脳波は役に立つのです。 治療の基本は内服薬です。 治りにくい場合にはてんかん外科手術も考慮されますが、まずは内服薬の効果を十分に試します。 数多くの抗てんかん薬が用意されています。 それぞれの薬に特徴があり、得意分野が違います。 「治療がうまくいく」のは「正しい薬を選んだ」場合ですね。 薬の選択は、発作型とてんかん分類の診断に基づいて決めます。 脳が過剰に興奮して発作を起こします。 興奮部位はどこか。 それによって、症状も経過も異なります。 専門医は症状を聞き「前頭葉だな」とか「後頭葉だな」と、およその部位を予想します。 脳波検査の結果と併せて検討し、てんかん分類を決めます。 このような分類作業によって適切な薬が絞り込まれます。 逆に分類の診断を怠っていては、適薬を選ぶことができません。 発作が止まりにくい場合には、てんかん分類の診断が正しいかどうか、振り返ってみる必要があります。 たとえば先ほど紹介した「意識が遠のく発作」をおこす5歳の女の子。 私たちは問診から「欠神発作」と推察しました。 つまり「複雑部分発作」ではないと考えたのです。 脳波検査の結果は、ずばり「欠神発作」でした。 さっそく欠神発作用の薬を開始して、すぐに発作は消失しました。 欠神発作には複雑部分発作用の薬は合いません。 逆の薬を使えば、なかなか治らないばかりか、かえって発作が増えてしまうこともありますから、細心の注意が必要ですね。 「どんな発作なのか」「てんかん分類は何か」。 発作型と分類を正しく診断することが、てんかん治療の第一歩です。 睡眠と発作は関係が深いのです。 睡眠不足は発作を誘発します。 たっぷり眠るのも治療のうちです。 修学旅行では寝不足になりやすく、薬を飲み忘れることがありますから注意してください。 運動によって発作が増えることはありません。 スポーツに熱中しているときは、むしろ発作は出にくいのです。 しかし、運動中に偶発的な発作が出ないとは限りません。 もし水泳中に発作がおきたら溺れるかもしれません。 プールでは、万一に備え、すぐに助けられる監視体制が必要です。 海での遊泳は避けましょう。 入浴中の発作で、風呂で溺れる事故がおきています。 「家族と一緒に入る」「声をかける」といった配慮が必要です。 予防接種は発作を誘発することがあります。 麻疹ワクチンは接種後に熱を出すことがあり、このとき発作をおこす危険があります。 しかし、麻疹は重い病気ですから予防する価値があります。 発作が落ち着いたところを見計らって、接種を受けた方がよいでしょう。

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症候性てんかんについて

小児 てんかん 症状

てんかんとは、脳のさまざまな部分の神経細胞(ニューロン)が、過剰な放電を起こすことでけいれん、意識障害、不随運動などの症状がくり返し起こる病気のことです。 国内のてんかんの患者の数は、60万~100万人(1000人に5人~8人)と考えられています。 乳幼児から成人まで発症の時期はさまざまですが、ここではとくに子ども、赤ちゃんのてんかんについて取り上げます。 てんかんとはどんな病気 てんかんは、脳の神経細胞に一時的に異常な電気的興奮が起こり、意識や運動、感覚などがくり返し障害を起こす病気です。 てんかん発作の現れ方は、脳のどの部分に興奮が起こるかによって異なるため、てんかんといってもその症状は人によってさまざまです。 主なてんかん発作 ・けいれん発作 手足の筋肉に本人の意志とは無関係に強い収縮が現れ、がたがた震えが起こります。 全身の筋肉につっぱり、こわばりが起こる発作と共に現れることがあり、意識が失われます。 発作は数分で収まります。 ・欠神発作 数秒程度の短い時間、意識を失ってしまう発作です。 けいれんは起こりません。 欠神発作の時間は短いため、学校や幼稚園などでぼーっとしているようにしか見えず、てんかんの発作であることが周囲の人に気づいてもらえない子どももいます。 ・ミオクロニー発作 全身あるいは手足などの筋肉が突然ビクッと緊張する発作です。 ・失立発作 全身の筋緊張が一瞬低下する発作です。 転倒したり、手に持っていたものを落としたりします。 また、けいれん発作自体も、てんかん(つまり、脳の神経細胞の異常興奮)が原因のものもあれば、高熱や感染症を原因とするものもあるのです。 てんかんの種類 てんかんにはいろいろな種類・症状があります。 乳幼児期に発症するてんかんでは、成長に伴って治っていくてんかんもあれば、精神運動発達遅滞を示す難治のてんかんもあります。 原因による分類 ・症候性てんかん 脳に障害が起きたり、脳に出血や外傷などが起きたりといった、明らかな原因があるてんかんのことです。 具体的には、生まれつき脳にきずがあったり、低酸素状態で生まれたりした場合、脳炎、髄膜炎など脳に影響を与える病気になった場合です。 ・特発性てんかん 検査をしても脳に明らかな障害が見つからない、原因不明のてんかんです。 原因は不明ですが、脳波を調べると神経細胞の異常興奮を確認することができます。 生後〜3歳ごろまでに発症する小児てんかんでは、原因のわからないと特発性てんかんが多く見られます。 脳の異常興奮が起こる場所による分類 ・部分てんかん 脳の一部の部位に過剰な電気興奮が発生し、発作が起こるものを部分てんかん(局在関連てんかん)といいます。 脳の一部が原因となるため、発作は、ちかちかと光りが見える、手足がぴくぴく動くといった身体の特定の部分に限定されることが多く、その場合、発作が起こる際には本人の意識があります(意識障害を起こす場合もあります)。 ・全般てんかん 脳の全体または大部分に過剰な興奮が起こるてんかんのことを指します。 脳の大部分が原因となるため、意識を失ってしまったり、倒れてしまったりといった発作が起こります。 さらに、部分か全般かが決定できないてんかん、部分、全般両方の特徴を持っているてんかんがあります。 子どものてんかん 新生児から3才までの乳幼児期に発症するてんかんとしては、次のようなものがあります。 点頭てんかん(ウエスト症候群) 乳児期の難治性てんかんです。 生後3〜8か月ごろに頭を前屈、両腕を開きお祈りをするような瞬間的なけいれん発作が数秒から数十秒間隔で、数回〜数十回群発するようになります。 発達遅滞を伴うことが多く、笑わなくなった、ものに興味を示さなくなった、首が座らなくなったなど知能と運動の両方で退行(できていたことができなくなる)が起こります。 なお、点頭てんかんの瞬間的なけいれんは、乳児が抱きつくような動きを示す「モロー反射」と似ています。 てんかんの場合は、発作が短時間に繰り返されること、表情が乏しくなるなどの特徴がありますが、気になる場合はかかりつけの小児科医に相談するとよいでしょう。 レノックス・ガストー症候群 1〜7歳くらいまでの小児期に発症する難治性てんかんです。 点頭てんかん(ウエスト症候群)から移行することが多く、全身の強直発作、脱力発作、欠神作などさまざまな症状が現れます。 歩行障害や言語の退行が起こることがあります。 乳児重症ミオクロニーてんかん 発熱を原因とする熱性けいれんをくり返し発症した乳児で、さらにてんかんの家族歴(両親のいずれかがてんかん患者である)場合に起こることがあります。 当初は知的発達は正常ですが、1〜4歳頃にてんかんが発症すると、症状を繰り返すうちに次第に知的な発達が停滞するようになります。 ローランドてんかん(中心・側頭部に棘波を示す良性小児てんかん) 5歳前後(3~10歳)で発症することが多く、思春期後期(15歳前後)で自然治癒する良性てんかんです。 睡眠時に頭部(顔面の片側けいれん)、上肢のけいれんなどを起こします。 発作頻度は少なく、大部分が一生のうちで6回以下程度とされています。 治療は適切な抗てんかん薬を服用することで、大部分の患者さんでは発作は抑制され通常の社会生活を支障なくおくれます。 一方、抗てんかん薬では発作を抑えることができず、「難治性てんかん」として複数の抗てんかん薬の調整や外科治療などの専門的なてんかん治療を必要とする場合もあります。 てんかんの診断 脳波検査を行うと、てんかん特有の波形が確認できます。 さらに、CT検査やMRI検査などを行い、脳の奇形やきずなどの有無を調べて、原因を絞り込み、治療方針を立てていくことになります。 出生時の様子や頭のケガ、熱性けいれんを起こしたことがあるかどうかなどについても医師が確認していきます。 てんかんの治療 乳幼児期に発生したてんかんは、治療の内容や予後(病気の経過)はてんかんの種類によってさまざまです。 治療の柱は、薬物療法(投薬)、脳外科的療法(手術)、そのほか(食事療法など)になります。 薬物療法(投薬) てんかんの治療の中心は投薬です。 てんかんの種類によってどの薬を選択するかが決まってきます。 投薬は、医師の指導の下、副作用に注意しながら行っていきます。 てんかんの種類にもよりますが、長期間にわたって毎日服用することが必要です。 定期的に血液検査を行い、身体の状態を管理していくことが大切です。 脳外科的療法(手術) 投薬に行っても発作の回数が減らない場合、手術が検討されます。 良性の脳腫瘍などはっきりした病変が脳にあり、それがてんかんの原因となっている場合は、手術することで発作の完治を期待することもできます。 そのほか(食事療法など) 糖などの炭水化物を減らし、脂肪を多く摂る「ケトン食療法」は、レンノックス・ガストー症候群などの一部のてんかんに有効とされています。 医師と栄養士の管理の下に行われます。 また、点頭てんかん(ウエスト症候群)には、発症後、早期であるほど脳下垂体ホルモン(副腎皮質刺激ホルモン)の筋肉注射(ACTH療法)が有効とされています。 てんかんの子どもを持つ保護者が気をつけたいこと てんかんを疑う症状が見られたら、すぐに医師の診察を受け、てんかんの診断が出た場合は、医師の管理の下で治療を進めていくことになります。 そのうえで、てんかんの子どもを持つ保護者の方には次のことに注意して、子どものサポートをしていただきたいと思います。 定期的な服薬管理、副作用のチェック 多くのてんかんでは、長期にわたる服薬が必要になります。 医師の指示通りに、薬の飲み忘れなどがないようにお薬の管理を。 睡眠時間の確保 とくに幼児期から学童期までは、睡眠不足はてんかんの発作を誘発する因子の1つと考えられています。 睡眠不足にならないように生活のリズムに気を配ってあげましょう。 行動の観察(単独行動を避ける) てんかんがあるからといって過度に気を配ることはなく、できるだけほかの子どもと同じように育てていくことが子ども本人の成長にとって重要です。 しかし、発作が起こったときに危険のある場所には1人で行かないようにしましょう。 例えば、海水浴に行くときなどは保護者の目が届くところで遊ぶようにしましょう。 劣等感を持たせない 成長するに連れて、子ども本人も自分の病気を理解します。 そのときにてんかんという病気による日常生活の制限ばかりに目を向けさせないように、その子が得意なこと、取り組んでいて没頭させることを見つけておくことが大切です。 長期間、治療を続ける中では保護者の方にも大変なことはあるはずですが、子どもが楽しい!もっとやりたい!と思えるものを一緒に探してあげてください。 (取材・文/たまひよONLINE編集部) 監修/榊原洋一先生 東京大学医学部附属病院小児科医長、お茶の水女子大学副学長などを務める。 「子ども学」の研究のため、ベネッセコーポレーションの支援のもと設立されたCRN(チャイルド・リサーチ・ネット)所長。 発達障害など子どもの心と体の研究の第一人者。 お茶の水女子大学名誉教授。

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小児てんかん

小児 てんかん 症状

日本小児科学会専門医。 2002年、慶応義塾大学医学部卒。 神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県横浜市のなごみクリニックに院長として勤務。 内科・小児科・アレルギー科を担... 「脳の慢性疾患」とも呼ばれ、意識障害やけいれんを繰り返し起こす「てんかん」。 子供にてんかんらしき症状が現れると、どう対処すればいいのか戸惑ってしまうかもしれません。 治療法についても分からないことが多く、不安に感じることもあるでしょう。 今回は子供の小児てんかんについて、原因や症状、診断方法、治療法、薬などをご紹介します。 小児てんかんとは? 小児てんかんとは、子供が意識障害やけいれんを繰り返すという「体質」です。 脳の神経細胞(ニューロン)が、過剰に活動することで起こると考えられています。 小児てんかんの種類によっても異なりますが、生まれてから3年以内と学童期に発症することが多く、90%は20歳までに発症します。 関連記事 小児てんかんの発作の症状は?子供が意識を失う? 小児てんかんの発作は、脳のどの部分が過剰に活動するかによって、現れる症状が異なります。 脳の一部分だけが過剰に活動して、体の一部のみが反応するものを「部分発作」、脳全体が過剰に活動して意識消失を伴うものを「全般発作」と呼びます。 部分発作 部分発作は、意識障害を伴わない「単純部分発作」と、意識障害を伴う「複雑部分発作」に分類されます。 単純部分発作の後に意識障害が起きて、複雑部分発作に移行する場合もあります。 ・運動発作:けいれん、体のねじれなど ・自律神経発作:異常発汗、皮膚の紅潮など ・感覚発作:視覚の異常、めまいなど ・精神発作:記憶障害、幻覚の発生など 関連記事 小児てんかんの子供の診断方法は? 小児てんかんの診断では、まず問診を行います。 その際に、発作の様子を映した動画があると、医師の診断の助けとなるので、家で子供にてんかんの発作が起こったときは、携帯電話やビデオカメラで撮影しておくと良いでしょう。 問診によりてんかんの疑いがあるときは、脳波検査を行います。 脳波検査では、電極を頭皮の上に貼りつけ、脳波に異常がないかを調べます。 治療方法を決める上で、正確に診断することが重要ですが、多くの種類の発作があり、正確に見分けるのが難しい病気です。 関連記事 小児てんかんの子供の治療法は? 小児てんかんの治療では、抗てんかん薬を服用するのが一般的です。 発作を抑えるために毎日服用します。 薬の種類にもよりますが、多くの場合、2~5年の治療期間が必要となります。 小児てんかんの子供の生活上の注意点は? 睡眠不足や過労、テレビゲームなどの強い光の刺激、発熱したときに第一世代の抗ヒスタミン薬(ペリアクチンなどアレルギーを抑える薬)を服用すると、てんかんの発作を招く恐れがあるので避けるようにしましょう。 また、水泳中や入浴中に発作が起こった場合、溺れてしまう恐れがあるので、監視体制がしっかりしている環境のもとで水に入るようにしましょう。 入浴する際は、家族と一緒に入る、もしくは入る前に家族に声をかけておくなどの対処をきちんと行ってください。 駅のホームでは、端を歩かないようにするなど、発作が起こったときに危険な状態にならないよう配慮することが大切です。

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