小麦粉 パン。 小麦・小麦粉の科学

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小麦粉 パン

こんにちは TAKAHIRO です。 今回は「 パン」についてお話ししていきたいと思います。 早速ですが、皆さんは家でパンを作られたことありますか? パンってスーパーなどで 山崎パンや PASCO など大手のパン製造会社さんの物が売られていますよね?種類も豊富で新作なんかもよく出てきます。 食パンでも普通のものから厚切りのフワフワな食パンだったり、最近では食パンブームって事からコンビニなどで「 金 の食パン」が売られています。 大手のパンは種類も豊富な事から値段の方も家庭に優しい価格で販売されています。 もしあんなに 美味しいパンをお家で作れたら?って思ったことありませんか? そう言ったお悩みを持った人のために今日お話ししていくのは「 自宅でも簡単で気軽にパンを楽しめる」というテーマで作り方など詳しくお話ししていこうと思っています。 話が戻りますが、自宅でよく食べるパンといえば子供でしたら甘い菓子パンで大人は食パンが多いかとおもいます。 食パンでもサンドイッチだったり、トーストして食べることが朝の食卓には 1 番しっくりきますよね? 実際に家庭で食パンを作ろうとしたら 食パンには型を使用しないとなかなか上手くいきません。 ですが、形や具材などを変える事によって同じ生地でも色んなバリエーションのパンに仕上がります。 例えば私がよく家庭で作るのはカレー屋さんなどでみる「 ナン」です。 ナンは平たいパンで主にインド、パキスタンたどでよく食べられるパンです。 ナンは、ペルシア語で平たく楕円形と言った独特の形をするものが多いです。 こちらのナンも今回紹介する食パンの生地で作ることができます。 焼き時間や発酵も取らずに生地ができたら伸ばして焼くだけでできますのでお家でも時間がかからず作ることができます。 作り方は後ほど紹介しますね。 その他にも食パン生地のバリエーションとして、生地を丸めて少し発酵をとってから焼けばハンバーガーのバンズのようなポコッとした生地に焼きあがりますので、半分に切ってハンバーガーにするもよし、サンドイッチも使い方によってはできますね。 ですので今日は食パンの生地の作り方を説明していきます。 小麦粉は大きくわけて 3 つの粉があるのでまずはそちらの解説をしてから本題に入りたいと思います。 Sponsored Link 小麦粉には 3 つのパターンがあると説明しましたがここで紹介する 3 つの粉とは 強力粉、中力粉、薄力粉の 3 つになります。 それぞれ異なる栄養分と性質がありますので 3 つの小麦粉の性質をちゃんと理解した上でパン作りをすれば美味しいパンに繋がります。 これから 3 種類の粉の性質などをお話ししていきますね。 そもそも小麦粉ですが、小麦を挽くことにより粉末状になり、小麦粉が出来上がります。 小麦粉の成分は ビタミン、ミネラル、脂質 タンパク質、炭水化物などが含まれており、中でも小麦粉の中に含まれる 炭水化物は 7 割〜 8 割をしめます。 この小麦粉に含まれているタンパク質が小麦の品種や種類によって含まれているタンパク質の量が違うんです。 タンパク質はパンを作る時に必要な「 グルテン」を作ります。 グルテンは粘着度や弾力度があり小麦粉に含まれているタンパク質のタイプでも色んなタイプが存在します。 パンを作るにあたって、小麦粉の特性を掴むことができなければ美味しくパンを作ることなんてできません! せっかく美味しい具材を使ってもパンの生地がその具材とマッチしていなければ意味がないのです。 ですから小麦粉の大きく分けられる 3 つの粉について説明していきます。 まずは 薄力粉です。 薄力粉の性質 薄力粉は先程お話しした小麦粉に含まれるタンパク質が少ないものになります。 タンパク質が少ない薄力粉の特徴は粘着度がそこまで発生せず、 グルテンが出来にくいです。 小麦粉自体のキメが細かいのが特徴で薄力粉でパンを作ろうとするとなかなかできません。 また、パンに必要なもっちり感などの弾力面も作ることができません。 薄力粉はタンパク質が少なくキメが細かい事から、 サックリとした食感がうまれやすいのでパンというよりはお菓子に適しています。 お菓子はパンとは違ってもっちり感やグルテンを作る必要はなく、むしろサックリ、しっとりしている方がいいのでスコーンやケーキ類などに使うと良いでしょう。 ですが、ここで注意していただきたいのが薄力粉を使う際、キメが細かい事により ダマにもなりやすいんです。 ですから薄力粉を利用する際には必ずふるいにかけてから使用してください。 薄力粉を 1 度ふるう事によって満遍なく混ざりますので仕上がりに変化が出てきます。 続いては 中力粉の紹介です。 中力粉の性質 中力粉はその名の通り強力粉と薄力粉の中間にあたる小麦粉で強力粉のような強い粘着性や弾力性を持っているわけではなく、ましてや薄力粉のようにキメが細かくサックリした食感がメインではありません。 適度に 粘着、弾力、サックリ感、しっとりさが合わせあった小麦粉です。 普段買い物に行って売られているのは大体が強力粉か薄力粉ですよね? 中力粉はそとそも市販での取り扱いがほとんどないんです。 ですが、この中力粉は自分で作り出すことができます。 でも弾力とサックリ感のある小麦粉ってどんなものに使うのがいいのだろう?と思う人もいるかもしれません。 実際皆さんが日頃食べているもので表すと うどんやパスタ、お好み焼きなどに使用する小麦粉は中力粉が適していると思います。 最後に 強力粉の説明をしていきますね。 強力粉の性質 ここまで薄力粉と中力粉の 2 種類の小麦粉の性質や使い方などを説明してきましたがいかがでしたか? 次は強力粉の性質についての説明になるんですが 強力粉特徴とすればお話ししてきた事から何となく予想はできるかと思いますが 粘着性と弾力性です 強力粉は薄力粉、中力粉の 2 種類より小麦粉に含まれるタンパク質が多く グルテンを多く作ることができます。 グルテンが多いだけではなく粘着性が高い事によりパンを作った際にもっちり感やふわふわした食感が生まれます。 パンの他にも ピザの生地や餃子の皮などにつかうのもいいですね。 また仮に強力粉で焼き菓子などを作ると弾力はしっかりとすると同時に少しボソボソしたような感じに仕上がります。 強力粉はしっかり混ぜれば混ぜるほどグルテンが生成されていきますのでもしどうしようもなく強力粉を使う場合には捏ね合わせるというよりは少し雑めに混ぜ ると良いでしょう! でもできるのであれば焼き菓子には薄力粉を使用した方が美味しく仕上がります。 小麦粉を保存する時の注意点 家庭でパンや焼き菓子を作るにしても小麦粉って一気に使うことはありませんよね? なかなか毎日作る人以外の人は大抵袋開けてから何日も経ってしまします。 小麦粉は市販で売られている際には常温で販売しているのがほとんどだと思うんですが、 1 度袋を開けてしまいそのまま常温で保存すると、 湿気やカビ、ダニなどが発生する原因んとも言えます。 でも冷蔵庫に入れておけば大丈夫でしょ?という人もいらっしゃるかと思いますがあまりそうでもないんですね。 小麦粉の基本的な保存方法なんですが、 袋を開けてから大体 1 ヶ月くらいで使い切れるのであれば袋を開けてからちゃんと備え付けのジップを閉め常温保存で大丈夫です。 ( 季節によって異なる場合があります) 小麦粉は湿気などによる影響が出やすく袋を開けてすぐに使用した物と袋を開けてから数日経ってからの小麦粉を使い同じものを作った際に湿気の影響を受けていれば違う形になります。 この事から見ても常温保存は温度帯が引っかかりますので小麦粉の足も早まってしまいます。 ちなみに私が小麦粉を保存するときは冷蔵庫ではなく「 冷凍庫」に入れています。 え?小麦粉も冷凍庫?と思う方もいらっしゃるっかと思いますが、冷凍庫は温度帯も低く カビやダニがの繁殖を防ぐことができます。 Sponsored Link また、冷凍庫に小麦粉を入れていても粉なので 固まらない んです。 いくら冷凍庫に入れてもサラサラの状態で保存できます。 ただ、あまりに量が多いといざ使おうと思った際に冷凍庫から取り出してまた冷凍庫に保存を繰り返すと 出した時に早く終わないと冷凍庫で冷えていたので袋に 結露が発生します。 こうなると小麦粉自体にも湿気が入ってしまいますのであまりに保存する量が多い場合でしたら何個かに小分けをして保存し、使いたい分だけ取り出すと良いでしょう! 食パン生地の作り方 さて、皆さん小麦粉の性質と正しい小麦粉の保存方法は理解していただけましたでしょうか? ここからは最初に話した食パンの生地作りとわたしがよく家で作っている「 ナン」の作り方を紹介していきますね。 まずは食パン生地を作る材料なんですが以下の通りです。 食パン生地の配合 ・小麦粉(強力粉) 100 % ・砂糖 4 % ・塩 2 % ・インスタントイースト 3 % ・バター 6 % ・水 65 %〜 68 % 1 、まずボウルに 小麦粉、砂糖、塩を入れ軽く全体を混ぜ合わせます。 2 、全体が混ざり合ったら 水を入れ少し捏ねます。 3 、水が粉と混ざり合いましたら イーストを入れます。 4 、生地がまとまり、少し しっかりするまで捏ねます。 5 、全体がまとまりベタつきがなくなってきたら バターを入れ混ぜます。 6 、 バターを入れてしっかり混ぜていくと少しパンの表面が ツルッとしたような感じになります。 この時、表面がツルッとしてきて手に 生地が付きにくくなるまで捏ねあげます。 7 、生地の最終確認で生地にできた グルテンを見ていきます。 グルテンの見方は少し生地を手にとり、両手で生地を少しずつ引っ張っていきます。 そうしてくると生地の薄い膜ができているので大体 膜の後ろに指を当て、指の指紋が見えるようでしたら OK です。 もしすぐに切れてしまうのであれば生地を捏ね足りていないのでもう少し捏ねましょう! グルテンの確認ができましたらボウルに入れ、生地の乾燥を防ぐために ラップをします。 そのまま 30 分放置します。 (常温で大丈夫です) 30 分経過後 パンチという作業をします。 パンチはボウルに入れた生地を外に出し、上下を 3 つ折りしていく感覚で OK です。 この作業ではただおるのではなく、 空気を生地に入れてあげるように生地の下を持ち軽く上に持ち上げるようにして半分まで折り、もう半分も同じようにして 3 折していきます。 それができましたら再度ボウルに入れラップをし、今度は 45分〜 1 時間ほど寝かしておきます。 1 時間が経過後、生地の発酵具合を見ていきます。 生地の発酵具合を見るには人差し指に少し粉をつけ、生地の上部分に指を刺します。 指を抜き穴が塞がるように戻っていくのであればもう少し置いておきます。 指を抜いて生地が少し萎んでいくようでしたら休ませすぎたという感覚です。 ベストな発酵具合は 指を抜いて穴がそのままの状態、これが発酵の OK ラインです。 発酵の確認ができたら好きな大きさに生地を分割します。 ちなみに私はナンを作るときは 60g で使用しています。 分割ができたらナンの形を作っていきます。 ナンといえば 大きい三角のイメージがありますのでそのような形で作っていきます。 (お好みの形でも大丈夫です) 生地の片側を少し細め棍棒のような形にし、綿棒で頭の方を下に押し付けるように伸ばします。 その後に下の細い方の生地を綿棒の持っていない方の手で持ちながら下に引っ張りつつ綿棒を転がしていきます。 その後形を整えて幅をもう少し出したいのであれば横にも綿棒で伸ばすと良いでしょう! 形ができましたらフライパンの上に生地を広げ火をつけます。 ここでも個人差はあると思うんですが私的にはナンは少し焦げ目のついた方が美味しく感じられるので 強火で焼いていきます。 強火の場合早ければ 1 分ほどで色がつきますのでこまめに裏面をチェックしてください。 裏面の色が良ければひっくり返し面面にも焼き色をつけます。 裏面の時より色がつくのが早く、 30 秒もすれば色がついてきます。 お好みの色に焼きあがれば完成です。 まとめ 今回は小麦粉の性質と作るものによって適した小麦粉を使う方が完成した時も美味しく召し上がれるということと、家庭でも簡単にできる「 食パン生地のナン」の作り方を紹介してきましたがいかがでしたでしょうか? 生地を作るには少し時間がかかりますが焼き時間はさほどかかりませんので「 明日はカレーにしようかな?」と思ったら前日でも生地を作り生地を冷凍して後日解凍後に成形をして焼けばすぐにできます。 補足ですが 生地を作り冷凍する場合はできれば 1 週間程度で食べ切れるくらいの方がいいです。 次回は最初にも少し話しました。 お子様が食べる「 菓子パン」のお話をしていこうと思っていますので次回もお楽しみに。

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国産小麦と外国産小麦の違いは?焼き比べてみました

小麦粉 パン

正式名称は薄力小麦粉(はくりきこむぎこ)です。 薄力粉は軟質小麦という小麦から作られており『小麦粉に含まれるタンパク質の割合が8. 5%未満』です。 粒が細かいだけならパン作りにも使えそうですが、実は軟質小麦はでんぷん同士の結合が強力粉に硬質小麦に比べて弱いので、パン作りに向いていないのです。 どうして強力粉がパンに適しているの? [st-kawa1]強力粉が最も適している理由は『 小麦の粒が水分を吸収しやすい』からです。 また、細かくできない代わりに粒の表面にたくさんの傷ができていて、その傷から水分をぐんぐん吸い上げる性質があります。 小麦粉が多くの水分を吸う事で粒同士の結束力が強くなってパン生地が作られていくというわけなのです。 ご理解いただけたでしょうか。 ちょっと難しかったですよね。 あまり深く考えずに『 強力粉はパン生地がまとまりやすい』くらいに捉えておいてもらえればオッケーですよ。 強力粉はさらに3つに分類される【最強力粉・強力粉・準強力粉】 少し細かい話になってきますが、パン専用に使われる『強力粉』は含まれるタンパク質の含有量に基づいて、さらに3つに分類されます。 ・強力粉 ・最強力粉 (NEW!! ) ・準強力粉 (NEW!! ) なぜ、分類分けされているかと言うと、強力粉の種類によって適しているパンが異なるためです。 手作りするうえで早い時期から覚えておいてもらって損はないと思いますので、『最強力粉』と『準強力粉』について簡単にご説明しますね。 最強力粉:伸びが良いため食パンやバターロール向き まずは最強力粉(さいきょうりきこ)を紹介します。 大げさな名前ですね。 わかりやすくするためにドラクエ(ドラゴンクエスト)のスライムで例えてみましょう。 強力粉がドラクエでいうところのスライムならば、最強力粉はキングスライムです。 膨らみ具合が違います! 下記のイメージです。 どうでも良いですが・・・ キングスライム、どや顔感すごいね。 (絵はプロデザイナーの妻にほぼ書いてもらってます) 最強力粉は『 タンパク質の含有量が13. なので、 食パンやバターロールのようなふんわりボリュームを出したいパン作りに最強力粉は向いています。 私も何度か使ったことがありますが、やはり焼いた時のパン生地の伸び方がすごいです。 びよーん!って一気に伸びるので面白いですよ。 準強力粉:パリッとしたフランスパンが作れる 続いて 準強力粉(じゅんきょうりきこ)を紹介します。 こちらは強力粉よりタンパク質が少なくて『大体10. 5%~12%くらい』です。 中力粉と強力粉のちょうど中間くらいと思っておいて下さい。 一般的な強力粉と比べてタンパク質の含有量が少ないので、パン生地のグルテン結合は弱くなります。 バゲットやカンパーニュなど、パン自体のボリュームよりも小麦の風味を活かしてパリッとしたパンを作りたい場合に向いています。 おさらい:小麦粉を種類別に一覧化 ここまで紹介した5つの小麦粉の種類を見やすいように表にしました。 名称 原材料 タンパク質の量 粒の粗さ 向いてるパンや料理 最強力粉(最強力小麦粉) 硬質小麦 13. 驚きですよね。 なお、他にもライ麦粉・米粉といったものが使われたりしますが、説明すると長くなるので割愛しています。 気になるという人は、以下の記事をご覧下さい。 パン作りに慣れてきたら、色々な種類の小麦粉を使い分けて違いを試してみて下さいね。 何度かパン作りを繰り返して慣れてきたら、フランスパン用に準強力粉を購入したり、食パン用に最強力粉を購入して違いを確かめてみて下さいね。 最後に小麦粉購入時のちょっとしたポイントをお伝えします。 お店で売っている強力粉の量は1. 0kgと2. 5kgが多いのですが、毎日焼けない人は『1. 0kg』を買う事をおすすめします。 大きいサイズを買った方が何度も買いに行かなくて良いと思うかもしれませんが、 小麦粉の賞味期限は未開封で約半年程度。 意外と日持ちしません。 小麦粉を無駄にしないためにも1. 0kgを小出しに買った方が得策だと思いますよ。

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パン作りにおすすめ!小麦粉(強力粉)の種類と違いを徹底解説

小麦粉 パン

目次 米粉100%でもパンは作れる 従来はグルテンを含まない米粉だけでパンを作ることは難しく、米粉パンとして販売されていても、実際には米粉以外に小麦粉を含んでいたり、添加物で補ったりして米粉のパンを作っていました。 しかし、研究が進み現在では米粉100%でもパンを作ることができるようになったのです。 米粉とは? 米粉は奈良時代に遣唐使によって伝来し、その頃伝来した米粉はおせんべいや和菓子などに使われていました。 米粉は大きく分けるとうるち米から作るものと、もち米から作るものとに分けられます。 さらに製粉方法により多くの種類に分けられ、さまざまな用途に使われています。 原料がうるち米の米粉の種類 うるち米からできた米粉の種類には以下のようなものがあります。 上新粉 パン用の米粉は、上記のさまざまな米粉よりさらに粒子を細かくしたものが使われています。 その原料となる米粉は、うるち米から作られたものも、もち米から作られたものもあり、製造メーカーによってさまざまです。 米粉100%のパンの定義 米粉パンとは、本来小麦粉で作るパンを、米粉を使って作ったパンです。 一口に米粉のパンと言っても、米粉のほかに小麦粉を混ぜたものもあります。 しかし、米粉100%のパンは、 材料に小麦粉を含まず、米粉、水、イースト、砂糖、食塩、油脂のみで作るものを指します。 従来は米粉100%パンは作れなかった 従来は、米粉100%のパンを作ることはできませんでした。 それはパンが膨らむことに欠かせないグルテンが深く関わります。 小麦粉に含まれる主なタンパク質は、グリアジンとグルテニンから成り立っています。 この二つのタンパク質は、水を加えて捏ねることで、粘着性と弾力性を持つようになり、グルテンが形成されます。 グルテンは、イーストが作り出す炭酸ガスを包み込む役割を持ち、それにより生地を膨張させます。 グルテンがないとガスが抜けてうまく膨らまないのです。 しかし、グルテンは小麦粉にしかなく 米粉には含まれていません。 そのため、小麦粉の量は減らせても、全く小麦粉を入れずに米粉だけでパンを作ることはできなかったのです。 従来の米粉パンの作り方 では、従来の米粉パンはどのようにして作られていたのかを見ていきましょう。 従来の米粉パンの作り方では、パンを膨らませるため材料に 小麦粉を混ぜるか、 グルテンや増粘多糖類を加える必要がありました。 また、パン専用米粉と呼ばれるものは販売されていましたが、これも小麦粉は入っていないものの、グルテンや増粘多糖類が添加されているものです。 小麦粉を加えることやグルテンなどの添加物を加えることで、通常の小麦粉のパンとあまり変わらない工程で作ることは可能です。 しかし、お米は水分を多く含むものやあまり含まないものなど、品種によってとても差があり、膨らみやすさや食感などに大きく違いがでやすいのです。 現在は米粉100%でも作れる かつてはグルテンや増粘多糖類を添加して作っていた米粉パンですが、現在はさまざまな研究により技術が確立され、このような補助材料を使うことなく、米粉100%のパンを作ることができるようになりました。 世界初の米粉100%パンの誕生 山形大学工学部の研究室で、世界で初めて米粉100%のパンが完成しました。 米粉100%のパンはプラスチック工学を応用して作られたのです。 プラスチックは数種類の原材料を合わせることにより、1種類では得られることのない特性が現れることがあります。 さらに発泡スチロールなどに代表されるプラスチックの発泡材は、溶かした原材料に炭酸ガスを混ぜて発泡させて作っています。 これを製パンに応用し、米粉は低粘度の米粉と高粘度の米粉を合わせ、発泡に適した粘度を実現し、ミキシングと発酵の状態を最適な状態でおこなうようにし、きれいな膨らみが実現したのです。 参考文献:論文『グルテンを用いない米粉パンの製造技術』 米麴を使った製法技術 米粉100%のパンの難題は、生地の膨らみが不十分であることです。 しかし、米粉に米麴を添加して前発酵をおこなっておくことで、米麴を添加しない米粉と比べて2倍以上もパンが膨らむことが突き止められました。 麹醗酵中の米粉における酵素活性を測定したところ、プロテアーゼ活性が醗酵時間の経過とともに上昇し、パンの膨らみの向上と相関が見られる アミロース含量の影響について検討した結果、15%程度以上のアミロース含量の米で膨らみが、20~25%程度のアミロース含量の米で膨らみと食感の両方が良好である 参考文献:特許5713255 ホームベーカリーでも米粉100%パンが可能に これは農研機構が広島大学との共同研究により明らかにしたもので、 微粒子型フォームの原理を利用し、米粉100%のパンでも生地が膨らむことを可能にしました。 微粒子型フォームとは、洗顔フォームが泡立つ原理のことで、通常水と空気は混ざらないものの、フォームを形成することで分散できるというものです。 これを利用し、炭酸ガスを米粉のデンプン質が取り囲み、ガスが抜けることなく石鹸の泡のように生地を膨らませることができます。 この技術にはデンプンの損傷が少ない米粉を使う必要があり、製粉の過程で二段階製粉をおこなうか、酵素処理をしてデンプンが損傷しないようにする必要があるため、専用の米粉を用意しなければいけません。 この技術を利用し、タイガーが製品化したホームベーカリーが発売され、専用の米粉を使うことにより 一般家庭でも米粉100%のパンを作ることが可能になりました。 農研機構は、広島大学との共同研究により、米のデンプン粒が醗酵で生じるガスを取り囲んで「微粒子型の泡」を形成し、この構造を安定化させることで、生地の膨らみが維持されるメカニズムを明らかにしました。 このメカニズムを用いて、農研機構とタイガー魔法瓶が共同開発を行い、技術の実用化に成功しました 米粉100%のパンの作り方 米粉100%パンはさまざまな方法で作ることが可能になりましたが、ここでは専用のホームベーカリーで作業工程が公開されている、微粒子型フォームを応用した方法で紹介していきたいと思います。 材料について 従来のグルテンを添加した方法では、水のベーカーズパーセントは約63%と通常の小麦粉を使ったパン生地とあまり変わらない量で作ることができました。 しかし、米粉100%のパンに使う水は、ベーカーズパーセント約93%ととても水分量が多くなります。 作り方の特徴 米粉100%のパンの材料は水のベーカーズパーセントが非常に高いため、とてもどろどろした生地になります。 ミキシング 生地へ空気を極力含まないようによく攪拌し、澱粉粒を水相へ均一に分散させます。 グルテンを添加した生地と違い、グルテンの形成はありません。 成形 成型 ミキシングした生地は、そのまま成形へと移ります。 しかし、生地がどろどろして成形することはできないので、型に流し込む必要があります。 焼き型によってはさらに時間を調整しましょう。 米粉100%で作る意義とは? 米粉100%のパンが作られるようになったことで、小麦粉を使ったパンでは成し得なかった大きな意義があります。 アレルギーでも食べられる 現代はアレルギーの人が多く、国民の3人に1人は何らかのアレルギーを持っていると言われています。 小麦も食物アレルギーの症例数が多いことから、法令で規定する特定原材料5品目のうちの一つとして、食品表示が義務付けられています。 このように症例数の多い小麦アレルギーの人でも、米粉100%のパンの開発により小麦粉でできたパンと遜色ないパンが食べられるようになりました。 セリアック病などの患者 グルテンはアレルギーの原因となるだけではありません。 グルテンが原因で起こる自己免疫疾患の一つに、セリアック病というものがあります。 セリアック病は腹痛や下痢などの消化器症状を引き起こすほか、貧血や筋力低下などを引き起こします。 セリアック病の治療法としては、現段階ではグルテンを含まない食事を摂るグルテン除去法が一般的なため、小麦粉を摂取することができない患者にとって、米粉100%のパンは貴重な存在なのです。 食料自給率の向上 国内の 米の自給率は年々減り続けており、昭和50年代に110%あった自給率も、現在は96%ととなり、深刻な問題として取り上げられています。 一方で パンの需要と供給は増え続けており、パンの原料を米粉へ変えることで、少しでも米の自給率を上げることへ繋がると考えられています。 冒頭でもお伝えした米粉発祥の地とされる新潟県胎内市でも、この深刻な問題を打破するべく、パン専用米粉の普及へと乗り出したのがきっかけです。 まとめ 米粉100%パンの開発は、米粉でパンが作られるようになってからも、多くの研究施設が挑戦し続けてきました。 米粉100%のパンは小麦粉やグルテンを添加することがないため、パンの製造には欠かせないグルテンの形成がありません。 グルテンの形成がなくても炭酸ガスを逃がさないようにするため、分野を超えた技術の応用が、現在の米粉100%パンの実現へと繋がっているのです。

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