この頃あの子が気になって夜も眠れないんだ。 【本怖】決して夜に1人で見ないで下さい!洒落にならない怖い話5選

寝たいのに眠れない! ネットで話題の“すぐ寝落ちできる方法”を大検証してみた!│#タウンワークマガジン

この頃あの子が気になって夜も眠れないんだ

はい、受験の波にアップアップしてる男子高校生たちよ、青春してますか? 花火大会帰りにそのままホテル直行で彼女の浴衣を脱がせ、下着着用の有無を確かめる……なんてあだーるとな映像作品的妄想を叶えるには、君たちではまだ役不足です。 精一杯勉強して、大学に入るまで我慢してください。 お預けです。 部活動に燃える高校生たちよ、青春してますか? まだまだ熱い日は続きそうだから、くれぐれも熱中症に注意して、水分補給と塩分補給をしっかりするんじゃよ?(部活を頑張ってる子には優しい、おばあちゃんモードの煎田) 社会の歯車となって猛暑日もヒーヒー働いている社畜の皆さま、青春してますか? 大丈夫、大人になっても青春は何度でもやって来ますから、大好きなお賃金のため、元気に労働に勤しみましょう!(明るい社畜政党の回し者、煎田) (官能休題) うっふーん、あっはーん。 (関羽休題) なんだか最近、なるだけ外に出ないよう、空調の効いた部屋でのんびり過ごしていた影響でしょうか。 めっちゃゲームしたい。 でもね、フェスとか、音楽関係のイベントにも行きたい。 まあ行きたいと言いつつ基本的に出不精の煎田は、友人知人がチケット取れて誘ってくれでもしない限りは、そういった催しに出かけることはないのですが。 自分でチケット取るのが、どうも面倒臭くてねえ……(チケットぴあの使い方がよく分からない、おばあちゃんモードの煎田) 後生だから誰か、ゆずのチケット取ってきてくれんかねえ? 岩沢御大将の歌声を、生きている内に一度は生で聴いてみたいんじゃよ。 あと、スピッツとか米津玄師とかチャックベリーとか小椋佳とかYUKIとかランスアームストロングとかさ。 違うランスは自転車の人でした。 ルイアームストロング。 アームストロング違いでした。 アームストロング砲ですよ。 鯨波ですよ。 生で歓送の歌とか聴いたら、絶対号泣しちゃう。 旅立ちの序曲とか流れ始めたら、「ごめん、フレデリカ。 他人がこんなことをしたら馬鹿に違いないと、私も思うだろう。 だけど私は結局、こんな生き方しかできないんだ」とか、勝手に一人芝居始めちゃう。 ラインハルトとジークがくるくる回ったりアンネローゼ様がひたすら編み物してるOPもいいんだけど、私はED派なのです。 なにがなんだか分からなくなってきちゃったけど、ようするに銀英伝大好きってことね。 誰か、私を夏フェスに連れてってください。 それか、新アニメの劇場公開後、映画館にでも! イリタ、クビナガクシテマッテル! イリタ、ニンゲンタオスチカラホシイ! 錯乱するあまり、森の賢者となって夏の残り日を過ごす、煎田でございました~。

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眠りたいのに眠れない!そんな夜にやりたいこと5つ

この頃あの子が気になって夜も眠れないんだ

私が初めてハジメの家にやって来たのは、あの子が6つの年の秋のことです。 意志の強そうな大きな目がキラキラしていて、私は一目でハジメが気に入りました。 幸いハジメも此方を気に入ってくれたようで、私を見つけるなり勢い良く飛び込んできてくれました。 その、まだ頼りない程に軽く小さな身体をしっかりと受け止めた私に、ハジメはますます喜んでくれました。 わざわざ隣家の幼馴染を連れてきて自慢してくれた程です。 そんなハジメの様子が、私も本当に嬉しかったのです。 この日から私はハジメを見守っていく事となりました。 ハジメの思い出には、欠かせないものが二つあります。 一つはこの後始めたバレーボール。 そしてもう一つがトオルです。 トオルは隣家の息子で、ハジメが物心付く前からの幼馴染。 彼等は互いに誰よりも長く深く、側にいる相手だったのです。 そのせいでしょう、ハジメの事を思い出す時、自然とトオルの事も思い浮かんできます。 私がここへ来て最初の年が明けて、春が来て。 ハジメは真新しいランドセルを誇らしげに背負うようになりました。 残念ながら私は外でのハジメを見た事がないけれど、虫取りの好きだったあの子はきっと、太陽よりも眩しい笑顔のやんちゃ坊主だったでしょう。 勿論、時には家で遊ぶ事もあり、沢山の友達がこの部屋を訪れ、中には私で一緒に眠った子もおりました。 そういった機会が多かったのはやはりトオルで、二人合わせてもまだ軽い、小さな彼等の重みはとても愛おしかったものです。 これもこの頃のことでしたか、はしゃいで飛び跳ねたトオルが私の上から落ち、運悪く下にあった玩具で額に怪我をした事がありました。 幸いにも怪我は軽く、痕もほとんど残らなかったようですが、幼い二人にはショックだったのでしょう。 暫くは随分とおとなしくしていたものです。 後日、まだ包帯を巻いたトオルを見て、ハジメは男らしく宣言しました。 『こーゆーの、きずものにしたっていうんだろ?だいじょうぶ、オレがせきにん取ってやるからな!しんぱいすんなよ!』 トオルは驚いたように目をパチクリさせた後、とても嬉しそうに大きく頷きました。 きっとトオルの姉が好きだったドラマの影響でしょう。 たまたま印象に残っていたのですね。 意味もよく理解していない、ただの大人の真似事ではありましたが、子供なりの真剣さでそれは誓われたのでした。 クスクスと恥ずかしげに笑う彼等は幼い愛情に満ちていて、それは微笑ましく印象的な光景でした。 バレーを先に始めたのはトオルでした。 それ迄は付いて回っていたトオルが、急に自分の側から居なくなったのが寂しかったのでしょう。 ハジメも誘われるまま、最初は遊び半分で、直に夢中になって。 気が付けば虫取り網はバレーボールに変わっていました。 ハジメときたら家の中でまでボールを使って練習しだして、まだまだ下手くそだったものですからガラスを割ったりして。 ひどく怒られたのも今では笑い話です。 「バレーって女子のスポーツだろ?女みたいでかっこ悪いし、つまんねー」 そんな風に二人はからかわれる事もあったようです。 確かに女子の方が盛んなイメージはありますね。 ガキ大将タイプだったハジメはともかく、トオルは泣かされて帰ってくる事もありました。 この頃のトオルはハジメより小柄で女の子のように可愛らしかったので、特にからかわれやすかったのでしょう。 ハジメはそんなトオルを時に慰め、時には物理で気合を入れて。 揶揄されて泣いてもバレーを辞める等と考えない程には、既に二人とも夢中だったのですね。 そしてピカピカだったランドセルにも傷が目立つ頃、二人は小さな約束をしました。 『オレがトスを上げるから』 『それならオレはエースになる』 真っ直ぐな目で交わされたそれは、今も続いているようですね。 私も嬉しく思います。 あっという間に時は流れて、私がここへ来て幾度目かの春。 ハジメは中学生になりました。 少し大き目の制服姿は随分と凛々しく見え、照れたように笑うハジメに良く似合っていました。 気付けば互いの呼び名が『トオル』と 『ハジメちゃん』から『及川』と『岩ちゃん』になっていたのもこの頃です。 こうして大人になってゆくのだと、少し寂しくも思えたものです。 すっかり真剣にバレーに打ち込むようになったハジメが、家に居ない時間も増えました。 疲れた身体を少しでも癒せるようにと、私もしっかりとハジメを休ませたものです。 真剣になるという事は、楽しい事ばかりではなくなる、という事でもあるのでしょう。 ハジメも悔しさに涙し、眠れない夜を過ごしたこともありました。 共に戦うことが出来るトオルが羨ましくもありましたが、私に出来る事は彼等を受け止め、癒やす事だけ。 傷付いては立ち上がる彼等を、祈るような気持ちで見守っていました。 努力をしても、敵わない事もありました。 基本的には朗らかなトオルが何処か追い詰められた目をして、笑わなくなった時期。 ハジメもまた迷い、藻掻いていたように思います。 あんなにも噛み合わず、すれ違う二人を見たのは初めての事でした。 渋い顔で私に飛び込んで来るハジメに、ひそかに心を痛めたものです。 そんなある日、ハジメが額を腫らして帰ってきました。 後を追うようにやって来たトオルが、此方は鼻を赤くして、気のせいか血の跡まで残しているものだから、流石に私も驚きました。 殴り合いの喧嘩でもしたのかと心配しましたが、二人の笑顔を見るに、ただ喧嘩をしただけという訳でも無いようでした。 二人共、ここ最近の焦燥も迷いも吹き飛ばした、晴々とした良い顔をしていたのを覚えています。 高校生になる頃には、ハジメは随分と大人びて来ました。 私が受け止めるにはギリギリの所まで背も伸び、いつの間にか片手でボールが掴める程に大きくなった手、低くなった声。 子供の成長は早いものですね。 最初は似合わないとトオルに笑われた白の洒落た制服も、2年以上たった今では大分馴染んできたように思います。 ライバルには勝てないままのようですが、それでも良いチームメイトを得たらしい彼等は、決して諦めずに努力を続けています。 相も変わらずバレーに熱中し、その傍らにはトオルがいる。 ハジメの生活は何も変わらないように見えました。 本当は少しずつ、ハジメとトオルの間に流れる空気は変わり始めていたのですが。 [newpage] さて、ここで閑話休題。 私が岩泉の家に来てからそれなりの時間がたちましたが、私には名前がございません。 自己紹介をするならば…「良い物を長く」が信条だったハジメの祖父が彼に与えた、 6つの子には少し贅沢な大人用のシングルベッド。 それが私でございますす。 健やかな朝も、眠れない夜も、喜びに笑う日も、悲しみに涙した日も。 ハジメを見つめ、時には敢えて目を閉じて、あの子を受け止める事が私の役割でした。 それも何時まで続く事か。 今はまだ、もう随分窮屈になってしまった私をハジメは大事にしてくれます。 けれど、いつかあの子は私を置いて、自分の足で何処までも歩いていくでしょう。 その時までもう少しだけ、私はハジメとその隣に立つトオルを見ていたいのです。 [newpage] 近頃、変わらず互いの部屋を行き来するハジメとトオルには、これまでとは違う秘密があります。 他愛無い戯れに混ざる口付け。 変わらない調子の軽口に紛れた、真摯な告白。 いつからそうなったのか分からない程、緩やかに二人の関係は変わっていきました。 今になって思えば、昔から彼等は番のようでありました。 飄々としていて明朗で、けれど全てを一人で抱えてしまい沈みがちなトオルを、引き上げるのはハジメの役目。 時にその生真面目さと強さ故、傷付け傷付けられる不器用なハジメのフォロー役はトオル。 運命、などと言えばハジメは嫌がるでしょうが、そんな言葉がぴったりだと私は思います。 普通ではないのかもしれません、悩む事もあるでしょう。 それでも、これ以外の未来を思いつけない程、今の二人は自然だと思うのです。 …そして今日も彼等は私の上で、密かな愛を交わします。 いつの間にこんな甘い声で、互いの名を呼ぶようになったのか。 もうあの幼子達はどこにも居らず、私を軋ませる重みは大人の男のものです。 どちらともなく触れ合う手は優しいままに、けれど見交わす目には熱と欲を孕み。 低く囁かれる睦言に、応える声は艶を含んで。 いくら心地良くとも、恋人達の逢瀬を覗くなど、馬に蹴られてしまいます。 時には見て見ぬふりも大切な事、私も暫し眠るとしましょう。 おやすみなさい、私の愛しい子供達。 どうか今夜も良い夢を。 そして明日も笑えるように、互いを想っていけますように。 いつものように願いを込めて、私はそっと目を閉じました。

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眠れない夜 2

この頃あの子が気になって夜も眠れないんだ

日が傾き始めた頃。 俺は船着き場の船に紐を括り付けるゴルフのヘッドみたいな奴に座っていた。 本来、お昼頃にここへ来る予定だったのだが少々嬉しい誤算があったからだ。 なんとヴェノミナーガさんの次元断ルーラにここが登録されてたのである。 そのため、諸々を経由した上で連絡船やらヘリやらで来る必要などが無くなったのだ。 浮いた時間で島の散策でもするとしよう。 「それにしてもヴェノミナーガさんはここに来たことがあるんですね」 『ほにゃ? ありませんよ?』 え……? 『ほら、私が前に憑依した人いるでしょう?』 ああ、藤原 雪乃ね…そういやアイツもここに入学してるんだっけか。 たまにメール寄越してくるんだよな。 自撮りの写メとか。 『彼女の中に私の欠片が残っているので彼女が来た場所にも行けるんです!』 そうヴェノミナーガさんは誇らしげに言った。 変なところでボス補整みたいなの使うの止めてくれませんかねぇ…。 まあ、使わせて貰ってる手前口には出さないが。 『お、第一村人発見ですよ!』 ヴェノミナーガさんの指した方向を見ると灯台の近くでオシリスレッドの赤い服を着た生徒が波消しブロックの上で何かしているのが見えた。 ふむ…折角だしデュエルアカデミア本館の場所でも聴くか。 『でも個人的には私の移動より、ボードに乗ってイヤッッホォォォオオォオウ!とか言いながらカーゴボブから飛び降りたら楽しかったと思いますよ?』 「誰がやるんだそんなアホなこと…」 そう言えば最近、エド・フェニックスとかいう名前の新人ランカーの後輩が出来たんだ。 俺の友人に占い師がいてソイツの友人のプロ入りを手伝ってほしいとのことで企業や審査会等に色々と……まあ、色々と手を回し、 こっち アメリカ にあるS〇NYと大口契約を結んだ新たな人気ランカーが誕生したのである。 ちなみにその占い師なのだが、俺の未来だけは全く見えないらしい。 俺からするとペテン師か何かに見えんでもないが他者からの評判が良いことと妹が可愛いから多分本物なんだろう。 なぜか未来が見えない俺を偉く気に入ったらしく、それから交流があるのだ。 まあ、ヴェノミナーガさんはあまりエドの事を気に入ってないらしく…。 "ただの独り善がりの 早孰餓鬼 マセガキ ですよ。 全て自分の良いように思い込んでいるだけで現実も真実もそして隣人すら何もわかっていない。 さながらピエロですよ、ウヒョヒョヒョ!" と散々な評価である。 まあ、ヴェノミナーガさんは腐っても神様だし何か見えているんだろうな。 そんなことをしている内に数百m移動し、生徒の後ろへ移動した。 「おーい! 翔ー! どこだー!」 しかし、その少年は波消しブロックの隙間に声を張り上げることに夢中でこちらに気が付いていないようだ。 翔とはフナムシか何かなのだろうか? と思いながら光景をどうしたものかと見ているとオシリスレッドの生徒がふと振り向き、俺と目線を交えた。 「へ…?」 だが、生徒は間の抜けたような声を上げ、目線をさらに俺の斜め上へと移動させる。 そして指を指しながら歯をガチガチと鳴らしながら目を見開いた。 「な、な、な…………」 そして次の瞬間…。 「なんじゃこりゃあぁぁ!!!? 」 絶叫が木霊した。 『ほへー、見える人ですねー』 「そうだな」 それを聞き流しながら感心したような言葉を吐くヴェノミナーガさんと、それに条件反射のような素っ気ない相槌を打つ俺。 最近、極稀に起こるこの反応に慣れてきた自分が悲しい。 『慣れていくのね…自分でもわかる…』 軟弱者!! よく言われる」 オシリスレッドの生徒……もとい遊城 十代は頭を掻きながらそう言ってきた。 今のところ目に見える範囲で憑いている精霊はハネクリボーのようだが……デュエルディスクに付いているデッキを見る限り数だけで言えば俺より多そうだ。 そうだな…アニメはDM以外見ていない俺でもわかる。 コイツ……主人公だな。 名前に遊が入ってるし、既にうろ覚えだがCMなどで顔はみたような気がする。 やったぜ。 これでコイツの周りにいればどんな闇の~とか、デュエリスト集団の~とか、破滅の光の~とかの生命に関わる問題が起ころうと最終的には助かるのが約束されたようなもんだ。 そんなことを考えているとハネクリボーを抱きながら撫でているヴェノミナーガさんが目に入った。 何だかんだ言ってもデュエルモンスターズの神様の一柱なんだな。 他の弱いモンスターには優し…。 クリちゃんアカン、ソイツお前をカシミアのセーターとかを見るのと同じ目で見てるぞ…。 「うおっ!? 」 俺は突如、後ろへ軽く20m程ジャンプし、遊城から距離を取った。 ははは、無駄な身体能力の高さに驚いてるな。 でも闇のデュエリストならこれぐらい最低限度の標準装備だぞ? 身体強くなけりゃあんなデュエルやってられん。 「スゲー…何食ったらそんなの出来るんだ?」 「煮干し…?」 あれ美味いよね。 安いし。 でも1日にあんまりボリボリ食べてると砂の魔女が"食べ過ぎはめっ…"って言って袋取り上げて来るんだよな…解せぬ。 「それなら俺にも出来そうだぜ」 「まあ、なんだ…折角だしここはひとつ…」 俺はデュエルディスクを開いた。 いつも思うが俺のデュエルディスクは開くと言うより、伸ばすが正しいよな。 「デュエルでもどうだ?」 『いや、なんでそうなるんですか』 ふわふわ浮いているヴェノミナーガさんがそんなことを言ってきた。 何を言っている。 ポケモントレーナー同士の目線が交差するとバトルになるのと同じように、デュエリスト同士が出会ったらデュエルになるのはこの世の真理だろう。 『いや、そのりくつはおかしい』 良いんだよ。 ポケモントレーナーと違ってもう自己紹介は済ませたし、勝っても金は巻き上げないし、動物愛護団体が出て来そうなこともしてないしな。 『あの子が了承しないで…』 「おう! いいぜ!」 遊城は即答でデュエルディスクを展開した。 『ちょ…』 ヴェノミナーガさんを無視し、俺はその言葉を吐いた。 「「デュエル!」」 リック・ベネット LP4000 遊城 十代 LP4000 「へへへ、先攻は貰うぜ!」 マジかよぉ。 天空からの一撃、フェザーブレイクで悪を裁く。 フェザーブレイクで裁ける悪は少ないため、E・HEROらしく融合するのが基本となる緑色の翼男が召喚された。 E・HERO フェザーマン ATK1000 ああ、E・HEROデッキか…まあ、この世界の人間なら引きの強さだけで回せるんだろうな。 俺も言えたものではないが。 「ターンエンドだ!」 遊城 十代 手札5 モンスター1 魔法・罠0 『はぁ…』 世界最高ランクのデュエリストでもあるヴェノミナーガさんが溜め息を付いていた。 まあ、この世界ではそう珍しくもないプレイングなのだが……どうもデュエリストの皆さんは事故ってもないのに1ターン目にモンスター1体を攻撃表示で素出ししてそのままターンを終わらせたがるのだ。 4000しかないLPに無駄なダメージを喰らって何が楽しいのかわからんが……まあ、俺がその行為を理解することは一生ないだろう。 まあ、今はデュエルを通して遊城が学べばそれはそれでいいか。 相手ライフに1000ポイントダメージを与え、自分は500ポイントダメージを受ける」 「あっち!? 」 カードから出た業火がフィールドを覆い尽くし、二人にダメージを与えた。 フィールド場にホーリ・エルフの容姿を褐色肌に薄紫の髪色にしたような魔法使いが現れた。 要はホーリ・エルフの2Pカラーである。 「ダーク・エルフ…?」 む? なんだその目を輝かせながらもなにそのカードと言いたげな顔は? 全く…最近の若いもんはこのカードも知らんのか…。 強い 確信 、重い 対価 、可愛い 重要 の三拍子揃った素晴らしいカードだぞ。 「手札から"巨大化"を装備。 効果により俺のLPがお前のLPを上回っているため、元々の攻撃力を半減する」 ポンッと音が立ち、煙が上がったかと思うとダーク・エルフを小学生ほどに縮めたような少女が立っていた。 俺のぼうぎょりょくはさがった。 うるさい。 そんな目で見るな。 大体、女性型のモンスターは他のデス・ガーディウスとかと違ってサイズが半減、倍増するのではなく、半減=ロリ化、倍化=サイヤ人化するのがいけないんだ。 それが楽しくてほぼ全てのデッキに巨大化を入れているという事実無根の事実は一切無い。 「バトル、"ダーク・エルフ"で攻撃」 「態々、同じ攻撃力に下げて攻撃?」 ダーク・エルフが動く前にフェザーマンが動き、ナイフのような羽を放つフェザー・ブレイクをした。 それをモロに受けたダーク・エルフが1歩後退する。 ダーク・エルフは渋い顔をすると瞬間移動し、俺の背後に現れた。 ここまで精霊たちによるただの演出である。 うん、やっぱり精霊の力どうしがぶつかるとソリッドビジョンとは一味違うな。 「この瞬間、"ダーク・エルフ"の効果発動。 このカードが攻撃するためには1000のLPを払わなければならない」 背後に立つダーク・エルフは俺の首筋へジャンプするとなんの躊躇もなく噛み付いてきた。 「俺のLPがお前を下回ったことにより、"巨大化"の効果が変化。 」 あ、やべ…手加減忘れてたけど別にいいや。 ダーク・エルフが掌をくいくいと曲げ、フェザーマンを挑発するとフェザーマンはダーク・エルフへもう一度、ナイフのような羽……ではなくダーク・エルフへ接近して拳を突き立てた。 が、通るハズもなくダーク・エルフにより優しく手で止められた。 こちらからは見えないがダーク・エルフはさぞナメ切った目をしているに違いない。 それを見たフェザーマンは距離を開けると翼を大きく羽ばたかせ、強力な風と羽の刃を放った。 しかし、今度は全身から放たれている黒いオーラにより全て止められてしまった。 「"ダーク・エルフ"の攻撃。 ワード・オブ・ソウルスティール」 ダーク・エルフが向けた片手が黒く光り、フェザーマンの全身が黒い光に包まれると身体から緑色の魂のようなものが吐き出され、それはダーク・エルフの手に吸い込まれてしまった。 フェザーマンは膝をつき、ゆっくりと地面に倒れると一言呟いた。 『フェザーブレイクが完全に入ったのに…』 次の瞬間、フェザーマンが爆発し、デュエル終了のブザーが鳴った。 「フェザーマン!!? 」 ブザーの音よりも遊城の悲痛な叫び声が頭に残った。 その気持ちはわかる。 それと俺のマナを吸い上げたために実体化しているダーク・エルフが話し込んでいた。 どうやらコイツはまだ精霊が見えてから日が浅いらしく、精霊などについてなんも知らなかったので情報交換をしている。 ちなみにヴェノミナーガさん曰く、俺のマナはLP100程で1週間サーヴァントを普通に使役出来るぐらいの力があるらしい。 序でに総量も半端ないんだとか。 例えが意味わからねぇ……まず、サーヴァントにどれだけ魔力が必要なんだ…。 「それにしてもスゲーなリック! あんなに高い攻撃力のモンスターを1ターンで作るなんて…」 ちなみに遊城がリックと呼んでいるのは馴れ馴れしく呼んでいるわけではなく、俺がリックと呼べと言ったからである。 べネットなんて呼ばせません。 「なあ? ところでなんかどっかで見たことある気がするんだが…気のせいか?」 ………………。 「さあ? 他人の空似だろう」 「そうかぁ?」 人間というものは単純で鈍感な生き物で目で見た者だけでは中々断定しようとしない。 最低、2~3つぐらいの根拠が必要だ。 例えば目の前からアロハ姿の大統領がセブンのコンビニ袋を手に下げながら歩いてきたとして、顔や背丈に覚えがあるからというだけでそれを即座に大統領だと認識し、握手でも求めに行けるだろうか? 俺なら絶対できないな。 まず、目を疑い、他人の空似だろうと結論付け何事もなく通り過ぎる。 それが大多数だというのが俺調べの結果だ。 と、言うわけで目の前の遊城も何か引っ掛かってはいるようだが、それ以上は踏み込まなかった。 「それより今度は守備表示に出しとくか魔法・罠張らないとダメだぞ?」 「そうだな……くそっ…なんか悔しいな。 もう一回やろうぜ!」 そう言ってデュエルディスクを構えてくる遊城。 ほう…今度はBMGを見せてやろう…。 そう思いながらデュエルディスクを再度構えようとしたところでさっきの事が気になった。 「なあ、お前はここで何をしてたんだ?」 「へ?………………ああ!」 そう言うと遊城は暫く止まってから口を大きく開いたので耳を軽く塞いだ。 「そうだぁぁ! 翔ぉぉ!」 そう吐き叫ぶと俺にから離れ、内陸方面へ全力で走って行ったが、途中で止まり、こちらに振り向いた。 「ごめんな! 今、翔探してるからまたデュエルしような!」 それだけ言うと遊城は今度こそ走り去っていった。 俺は翔とはフナムシかアザラシの仲間なのだろうか? などと思いながらその背中に向けて小さく手を振っていることしか出来なかった。 『…………そう言えば あの 砂の魔女 2人 とラー はどうしたんですか? 留守番ですか?』 ヴェノミナーガさんの何気無い問いに俺は振っていた手をグーにし、人差し指を空に突き立てるように上げると言葉を吐いた。 「ん? ああ、アイツらね。 』 と言うか砂の魔女を学生はいくらなんでも無理だろ。 それとは逆だが、同じ理由でラーも無理だ。 「前々からしたいとは砂の魔女が言っていたんだが…… アッチ アメリカ じゃどうも不安でな。 ラーは…おまけの社会勉強?」 『過保護ですねー。 ああ見えてあの娘たちは敵対者に容赦ありませんよ?』 「それが問題だ。 強盗犯とか万引き犯を一々、石化させて砂にしたり、限界ギリギリまで炭化焼した死体にしたら捕まるだろ」 『ああ…』 まあ、ラーちゃんは一人で家に残しといたら寂しさで本当に死にそうだからだがな。 ちなみにウサギは寂しさでは死なん。 というか野性動物が孤独で死ぬわけがない。 死ぬとすれば人間だって狭い牢に幽閉され、そのまま誰とも会話もコミュニケーションも出来ずにただ生きる屍のように生かされたら生きる活力を失って結果的に死ぬだろう? つまりはそう言うことだ。 寂しさでは死なないからってペットはケージから出して遊んでやれよ? 生きてるんだから。 『その優しさを半分でも私に下さいよ!? 』 「神様は生き物じゃない」 『ぐぬぬ…』 そう言い放ちながら俺はデュエルアカデミア校舎へ向けて歩き出した。

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