史上最大の作戦。 史上最大の作戦 (ハヤカワ文庫NF)

”史上最大の作戦” (62年)

史上最大の作戦

(単調なる/もの憂さに/我が心傷つく) と、英BBC放送がP. ヴェルレーヌの「秋の歌(Chanson d'automne)」の第一節を1944年6月1日夜9時のニュースの後に流した。 それは、「D-Day近し。 待機せよ。 」という、対独レジスタンス・グループに宛てた暗号放送であった。 独国防軍情報部は、これが、連合軍の欧大陸侵攻Invasionの前兆であるとの情報を掴んでおり、関係当局にその情報を流した。 そして、6月5日夜9時15分、暗号の後半部分、先述の詩の第二節が傍受された。 これは、「放送が流れた夜の0時から48時間以内にはD-Dayが開始される。 」との暗号であった。 これを受けて独軍の関係する各機関に警報が発せられたが、第二段階警戒態勢を取ったのは不思議なことに、独国防軍西部方面軍に属する第15軍のみであった。 こうして、フランスは運命の日の6月6日、ロンメル元帥が図らずして「最も長い日」と名づけた日を迎え、1万8千名の連合軍空挺部隊が0時30分頃フランスの地に降下を開始したのであった。 さて、ここで、連合軍による欧州大陸における第二戦線構築の意図に独軍は如何なる対抗策を取っていたか。 まず、独軍側のフランスにおける指揮系統であるが、中央のOKW(国防軍最高司令部)から、西部方面軍(司令官:フォン・ルントシュテット元帥、参謀長:ギュンター・ブルーメントリット歩兵「上級中将」[各科Generalは一般に「~科大将」と訳されているが、この階級は師団長レベルでも見られ、旧日本帝国陸軍では、このレベルは一般に中将である。 更に、戦前のドイツ軍には元帥級大将というものもあり、こちらの方をむしろ「上級大将」と名づけるべきである。 Generalmajor,Generalleutnantがそれぞれ「少将」、「中将」と確定しているところから、独断ではあるが、Generalをその上で、しかしGeneraloberstの下の階級ということで「上級中将」と呼ぶことにする。 尚、ブルーメントリットは、その後武装親衛隊の第12SS軍団長にもなっており、SSの階級も保持した。 ])がこれを担当し、その指揮下に、フランス南西部を管轄するG軍集団とフランス北部を管轄するB軍集団(司令官:エルヴィン・ロンメル元帥、参謀長:ハンス・シュパイデル中将)、また、この北アフリカ戦線の「英雄」ロンメル元帥の配下に、パ・デゥ・カレーに第15軍、ノルマンディー、ブルターニュに第7軍が配置されていた。 北スベインから大西洋岸に沿ってノルウェーまでの2000キロもある、所謂「大西洋の防塁Atlantikwall」は中々守りきれるものではない。 ロンメルは、連合軍が来たら、栗林中将とは異なって、水際作戦でこれを撃退するという作戦の方針を固めてはいたが、さて、連合軍はどこに上陸するつもりなのか、分からなかった。 連合軍側の偽装工作作戦Operation Fortitudeも功を奏して独軍側は大方がやはり、15軍が守備するパ・デゥ・カレー地方だと予想していたのである。 これが、上述の独軍の暗号傍受後の対応にも現れていたと言えよう。 連合軍落下傘部隊が降下すると、0時30分頃第7軍の高射砲陣地からB軍集団司令部に連絡が入り、当直士官ボルツィコフスキー少尉はこれを受けた。 第7軍司令官フリードリヒ・ドルマン大将は、ブリュターニュ地方にあるレンヌでの兵棋演習に参加して不在であったし、ロンメル自身も休暇を取ってドイツ本国に戻っていた。 ヒトラーとの会見のためでもあったが、このように独軍側は連合軍に完全に不意を衝かれた形になったのである。 こうして始まった6日の明け方、第352歩兵連隊第352砲兵連隊第1大隊司令 ヴェルナー・プルスカート少佐は、自らの目を疑った。 守備砲台にいる彼の目の前には無数の艦船が群がっていたからである。 (ある本によるとプルスカート少佐は、この日はノルマンディーにはいなかったということではある。 )別名「オマハ・ビーチ」と呼ばれた海岸に連合軍と対峙した第352歩兵師団は、約7400名の兵を以って応戦する。 この師団を傘下に置く第7軍第84軍団司令官エーリヒ・マルクス砲兵上級中将は、対ソ「バルバロッサ」作戦を立案した名作戦家で、独側でこのノルマンディーが上陸主作戦の地となることを予測していた数少ない将軍の一人であった(これが陽動作戦ではないかとその後数週間経っても考えられていた)。 この日6月6日は、奇しくもマルクス砲兵上級中将の53回目の誕生日でもあった。 その6日後、彼は、敵機の機銃掃射を受けて戦死する。 蟻の一穴から崩壊する大組織 投稿日:2009年6月30日 「史上最大の作戦」はハリウッド映画の超弩級のスケールの凄さを痛感させられた映画です。 Dデイを再現した映画では想像される製作費や人員動員力を考えさせられ、本物の戦争がいかに膨大な浪費を伴うかもよく分かります。 高校生時代に「荒野の七人」に登場する七人のガンファイターの俳優の名前が全部言えるかというクイズが終了した時点で、「史上最大の作戦」の出演者たちを何人言えるかに移行しました。 オールスターキャストの映画だったので、「荒野の七人」クイズより長続きしたのですが、それだけでは満足せずに俳優たちが演じた実在の人物名を覚えるハメになってしまったのです。 十代の頃の記憶力に頼りながら、映画をドイツ軍司令部に絞って、ドイツ軍が犯した最大のミスをレビューとして語ってみます。 ドイツの国民的英雄のエルウィン・ロンメル将軍を演じたのは、ドイツの名優ベルナー・ハインツでしたが、ロンメル将軍は暴風雨中にノルマンディ上陸作戦を敢行することはありえないと思っていたので、6月6日の夫人の誕生日を祝うためドイツへ帰国してしまいました。 これが最初のミスです。 海岸線を監視するハンス・クリスチャンブレッヒ(人物名を失念しました)は、最初に連合軍のノルマンディ上陸船団を発見したのですが、上司のペーター・ファン・アイク演じるオッカー空軍中佐はこれを一笑に伏してしまいますが、これが二番目のミスです。 智将ドイツ第7軍参謀長マクス・ベムセル少将を演じるボルフガング・プライスは、ノルマンディ上陸作戦が切迫していることを上層部に納得させることが出来なかった無力感を見事に演じていました。 ドイツ軍司令部の麻痺状態は更に続き、アイゼンハワー大将が荒天にノルマンディ上陸作戦を決行することは絶対にないと判断したパウル・ハートマン演じるゲルト・フォンルント・シュテット元帥(総司令官)はノルマンディにいたドイツ軍の幹部将校を作戦会議のためにレネスへ招集してしまいますが、これが三番目のミスです。 イギリス放送局が詩に託したフランスレジスタンスへ送った上陸作戦の暗号通信をドイツ軍の情報部も傍受するのですが、ドイツ軍司令部に連絡するもボツにされてしまう四番目の判断ミス。 「The longest day」の英語版Wikiの記載から(歩兵科の)大将とみるのが最も妥当だと思います。 ちなみに「A bridge too far」の英語版Wikiではブルメントリットの階級はSS-Gruppenfuhler(親衛隊中将)となっていますが、これは明らかな誤りです。 リカルド・ムンク扮する名作戦家のエリッヒ・マルクス将軍をもってしても、ナチズムというファッショ政治によるカリスマ的ワンマンの組織がいかに脆いかを痛感させられる名画です。 後日、アメリカ合衆国のある著名人によって、第二次世界大戦での最強軍団とは、「アメリカ軍の将軍」による戦略を、現場で指揮する「ドイツ軍の将校」に従う、「日本軍の兵士」だと論述されました。 因みに、端役として、「007・ゴールドフィンガー」で敵対するショーン・コネリーとゲルト・フレーベがイギリス軍、ドイツ軍の兵士を演じています。 それにしても、これだけの実在する将兵たちを丸暗記しても世界史のテストにはあまり影響がなかったことを付け加えておきます。

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史上最大の作戦 (ハヤカワ文庫NF)

史上最大の作戦

脚本が素晴らしい アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ 大量の登場人物を上は元帥から下は十代の新兵、市民、レジスタンスまで扱い、様々なエピソードを縦横に巡らせて、全体として巨大で見事な絵柄のタペストリーを織り上げて、この巨大な作戦の全貌を俯瞰させてくれる これ程見事に構成された脚本は他に類を見ない もちろん戦闘シーンの迫力も物凄い クライマックスの上陸シーンなどは恐ろしいほどの人数のエキストラを動員しており、昨今のCGでコピペしたような嘘でない迫力がある そしてその戦闘シーンの中にはぐれた兵達や、負傷して戦えず傍観する物語が意外なほど挟まれる 決して勇猛果敢な英雄達だけの物語ではなく、一兵卒、一般市民の視点を忘れずに製作されている この脚本の見事さは他の戦史を扱った戦争映画の中で一番のものだと思う 超有名な口笛のマーチはラストシーンで流れるが、劇中で様々なアレンジで使われている DVDで鑑賞。 ジョン・ウェイン、ロバート・ミッチャム、ヘンリー・フォンダなど、主役級スターばかりの超豪華キャスト。 それだけでも本作がえげつない超大作であることの証明であり、興奮必至の作品であることに疑いの余地はありません! ロンメル元帥の言葉から始まるオープニングが、これから始まる圧巻の物語への期待を否応無しに高めてくれました。 秀逸です。 作戦開始までの紆余曲折を描きながら、綿密な計画を立てる連合国軍上層部と、危機を察知しながらもどこか楽観した空気の漂うドイツ軍との対比が面白かったです。 パノラマ的に出来事が配置されていてとても観応えがありましたが、いかんせん膨大な登場人物が出て来るので人間関係の整理をするのが大変でした。 字幕で観ていると、全員の声が同じに聴こえて来て大変でした まだまだ修行が足りません… 笑。 日本で販売されているソフトに収録されている本編は、「アメリカ公開版」と小さく注記が書いてありました。 だからなのかは分かりませんが、ドイツ軍の描写に対して連合国側のそれの方が比重が大きいような気がしました。 戦場で戦う兵士たちの悲喜交々なドラマは、連合国軍側しか描かれていなかったように思いました。 いつ作戦が始まるのか、兵士たちのジリジリとした想いが私の感情に直結していくようで、ハラハラしました。 まさに興奮の坩堝。 乱れ飛ぶ砲弾、巻き上がる砂、吹き飛ばされる兵士たち…。 昨今のCG頼りな場面とは違い、実物大のセットや本物の戦車などを駆使した圧巻のシーンの連続。 本物だからこその迫力だなと感じました。 戦場で如実に示される戦争の過酷さと理不尽さ。 そして容赦無く奪われる命。 誰にも見えない己の運命…。 それでも戦う男たちの熱きドラマが胸に迫って来ました。 暗闇の中、誰が敵とも分からない中を行軍するスリルがハンパなかったです。 映画の殆どがカラー作品になっていた中であえてモノクロを採用しているのは、白黒映像が戦争の空気感を実際の記録映像のような感覚で映し出し、なおかつ作品が持つ重厚感を巧みに演出するためだったのかな、と…。 これがもしカラーだったとしたら、ここまでの名作にはなっていなかったかもしれないなと思いました。 それに、邦題。 もしこれが英題直訳の「長い一日」だったり、ただカタカナに直しただけの「ロンゲスト・デイ」だったとしたら絶対にヒットしていなかっただろうなぁ…。 邦題の「史上最大の作戦」は映画評論家の水野晴郎氏が付けたらしい。 何とも上手い付け方だ 笑 1944年6月6日に実行されたノルマンディー上陸作戦を映像化したもの。 ドイツ軍の予測に反して連合軍はノルマンディーに上陸した。 水陸両用車から上陸する兵士たちの迫力の映像は、戦争の過酷さを表している。 名優のジョン・ウェインは、落下傘部隊の隊長で出演している。 大量のダミー人形の降下は実話だろうか!?隊長は落下地点が目標からズレてしまい、しかも足を骨折。 荷車に乗って移動するが、部下の木にぶら下がった遺体を見てしまう。 このモノクロの作品は戦争映画の雄で、兵士の勇気や痛ましさを映像化した傑作である。 葉巻をくわえて戦闘に参加しているロバート・ミッチャムは単純にかっこいい。 口笛が鳴るこの映画のテーマ曲はあまりにも有名・・1962年のアカデミー賞の受賞作品。 この映画の邦題「史上最大の作戦」は水野晴郎が付けたらしい。 1944年6月6日に連合国軍により行われた最大の作戦「ノルマンディー上陸作戦」を映像化したもの。 敵の上陸を許した枢軸国ドイツ軍はそのまま敗戦に繋がってしまう。 悪天候が続き、なかなか作戦を決行する日が決められない連合国軍の上層部。 結局GOサインを出した最高司令官アイゼンハワーは、英雄となり戦後アメリカ大統領となる。 ドイツ軍はヒトラー総統もロンメル元帥もこの作戦に参戦していなかった。 戦争映画の名優ジョン・ウェインは、落下傘部隊の隊長として登場する。 しかし、目標から落下地点が5マイルもずれてしまう。 しかも着地の時に足を骨折してしまう。 荷車に載せられて移動するが、そこで木にぶら下がったまま亡くなった部下を思いやる。 連合国軍の上陸作戦は困難するも成功する。 海から上陸した歩兵部隊の戦闘シーンは凄まじい。 口笛の鳴るこの映画のテーマ曲は余りにも有名。 作品は1962年度アカデミー賞を受賞。 総合60点 ( ストーリー:65点|キャスト:65点|演出:60点|ビジュアル:65点|音楽:70点 ) 大金をかけて相当に大掛かりな美術を組み激しい戦闘を再現しているのだが、それなのに1962年制作作品で白黒映像ではせっかくの画像の迫力が落ちる。 まさか美術に金をかけすぎて天然色で撮影する金がなくなったわけではあるまいし、この色の選択には大いに疑問が残る。 一つの上陸地点を押さえたり内地に潜入して攪乱したりするだけでは、何がどうなっているのかがなかなか見えてこない。 個々の戦闘を一つ一つ描くのはいいが、史上最大の作戦と言われたノルマンディー上陸作戦の全体像を描くという視点が弱く、どのように作戦が進展しているのかがわからない。 戦闘の真っ最中にくだらない科白をはさんだりする演出は古く、「プライベート・ライアン」といった近年の戦争映画と比較すると緊迫感や迫力に欠ける。 大規模な作戦を描く大規模な映画だし有名俳優も大勢出演しているが、投資の割には古臭さが全体に目立ちたいして面白いものではない。

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史上最大の作戦:ジョン・ウェイン・ヘンリー・フォンダ出演

史上最大の作戦

(単調なる/もの憂さに/我が心傷つく) と、英BBC放送がP. ヴェルレーヌの「秋の歌(Chanson d'automne)」の第一節を1944年6月1日夜9時のニュースの後に流した。 それは、「D-Day近し。 待機せよ。 」という、対独レジスタンス・グループに宛てた暗号放送であった。 独国防軍情報部は、これが、連合軍の欧大陸侵攻Invasionの前兆であるとの情報を掴んでおり、関係当局にその情報を流した。 そして、6月5日夜9時15分、暗号の後半部分、先述の詩の第二節が傍受された。 これは、「放送が流れた夜の0時から48時間以内にはD-Dayが開始される。 」との暗号であった。 これを受けて独軍の関係する各機関に警報が発せられたが、第二段階警戒態勢を取ったのは不思議なことに、独国防軍西部方面軍に属する第15軍のみであった。 こうして、フランスは運命の日の6月6日、ロンメル元帥が図らずして「最も長い日」と名づけた日を迎え、1万8千名の連合軍空挺部隊が0時30分頃フランスの地に降下を開始したのであった。 さて、ここで、連合軍による欧州大陸における第二戦線構築の意図に独軍は如何なる対抗策を取っていたか。 まず、独軍側のフランスにおける指揮系統であるが、中央のOKW(国防軍最高司令部)から、西部方面軍(司令官:フォン・ルントシュテット元帥、参謀長:ギュンター・ブルーメントリット歩兵「上級中将」[各科Generalは一般に「~科大将」と訳されているが、この階級は師団長レベルでも見られ、旧日本帝国陸軍では、このレベルは一般に中将である。 更に、戦前のドイツ軍には元帥級大将というものもあり、こちらの方をむしろ「上級大将」と名づけるべきである。 Generalmajor,Generalleutnantがそれぞれ「少将」、「中将」と確定しているところから、独断ではあるが、Generalをその上で、しかしGeneraloberstの下の階級ということで「上級中将」と呼ぶことにする。 尚、ブルーメントリットは、その後武装親衛隊の第12SS軍団長にもなっており、SSの階級も保持した。 ])がこれを担当し、その指揮下に、フランス南西部を管轄するG軍集団とフランス北部を管轄するB軍集団(司令官:エルヴィン・ロンメル元帥、参謀長:ハンス・シュパイデル中将)、また、この北アフリカ戦線の「英雄」ロンメル元帥の配下に、パ・デゥ・カレーに第15軍、ノルマンディー、ブルターニュに第7軍が配置されていた。 北スベインから大西洋岸に沿ってノルウェーまでの2000キロもある、所謂「大西洋の防塁Atlantikwall」は中々守りきれるものではない。 ロンメルは、連合軍が来たら、栗林中将とは異なって、水際作戦でこれを撃退するという作戦の方針を固めてはいたが、さて、連合軍はどこに上陸するつもりなのか、分からなかった。 連合軍側の偽装工作作戦Operation Fortitudeも功を奏して独軍側は大方がやはり、15軍が守備するパ・デゥ・カレー地方だと予想していたのである。 これが、上述の独軍の暗号傍受後の対応にも現れていたと言えよう。 連合軍落下傘部隊が降下すると、0時30分頃第7軍の高射砲陣地からB軍集団司令部に連絡が入り、当直士官ボルツィコフスキー少尉はこれを受けた。 第7軍司令官フリードリヒ・ドルマン大将は、ブリュターニュ地方にあるレンヌでの兵棋演習に参加して不在であったし、ロンメル自身も休暇を取ってドイツ本国に戻っていた。 ヒトラーとの会見のためでもあったが、このように独軍側は連合軍に完全に不意を衝かれた形になったのである。 こうして始まった6日の明け方、第352歩兵連隊第352砲兵連隊第1大隊司令 ヴェルナー・プルスカート少佐は、自らの目を疑った。 守備砲台にいる彼の目の前には無数の艦船が群がっていたからである。 (ある本によるとプルスカート少佐は、この日はノルマンディーにはいなかったということではある。 )別名「オマハ・ビーチ」と呼ばれた海岸に連合軍と対峙した第352歩兵師団は、約7400名の兵を以って応戦する。 この師団を傘下に置く第7軍第84軍団司令官エーリヒ・マルクス砲兵上級中将は、対ソ「バルバロッサ」作戦を立案した名作戦家で、独側でこのノルマンディーが上陸主作戦の地となることを予測していた数少ない将軍の一人であった(これが陽動作戦ではないかとその後数週間経っても考えられていた)。 この日6月6日は、奇しくもマルクス砲兵上級中将の53回目の誕生日でもあった。 その6日後、彼は、敵機の機銃掃射を受けて戦死する。 蟻の一穴から崩壊する大組織 投稿日:2009年6月30日 「史上最大の作戦」はハリウッド映画の超弩級のスケールの凄さを痛感させられた映画です。 Dデイを再現した映画では想像される製作費や人員動員力を考えさせられ、本物の戦争がいかに膨大な浪費を伴うかもよく分かります。 高校生時代に「荒野の七人」に登場する七人のガンファイターの俳優の名前が全部言えるかというクイズが終了した時点で、「史上最大の作戦」の出演者たちを何人言えるかに移行しました。 オールスターキャストの映画だったので、「荒野の七人」クイズより長続きしたのですが、それだけでは満足せずに俳優たちが演じた実在の人物名を覚えるハメになってしまったのです。 十代の頃の記憶力に頼りながら、映画をドイツ軍司令部に絞って、ドイツ軍が犯した最大のミスをレビューとして語ってみます。 ドイツの国民的英雄のエルウィン・ロンメル将軍を演じたのは、ドイツの名優ベルナー・ハインツでしたが、ロンメル将軍は暴風雨中にノルマンディ上陸作戦を敢行することはありえないと思っていたので、6月6日の夫人の誕生日を祝うためドイツへ帰国してしまいました。 これが最初のミスです。 海岸線を監視するハンス・クリスチャンブレッヒ(人物名を失念しました)は、最初に連合軍のノルマンディ上陸船団を発見したのですが、上司のペーター・ファン・アイク演じるオッカー空軍中佐はこれを一笑に伏してしまいますが、これが二番目のミスです。 智将ドイツ第7軍参謀長マクス・ベムセル少将を演じるボルフガング・プライスは、ノルマンディ上陸作戦が切迫していることを上層部に納得させることが出来なかった無力感を見事に演じていました。 ドイツ軍司令部の麻痺状態は更に続き、アイゼンハワー大将が荒天にノルマンディ上陸作戦を決行することは絶対にないと判断したパウル・ハートマン演じるゲルト・フォンルント・シュテット元帥(総司令官)はノルマンディにいたドイツ軍の幹部将校を作戦会議のためにレネスへ招集してしまいますが、これが三番目のミスです。 イギリス放送局が詩に託したフランスレジスタンスへ送った上陸作戦の暗号通信をドイツ軍の情報部も傍受するのですが、ドイツ軍司令部に連絡するもボツにされてしまう四番目の判断ミス。 「The longest day」の英語版Wikiの記載から(歩兵科の)大将とみるのが最も妥当だと思います。 ちなみに「A bridge too far」の英語版Wikiではブルメントリットの階級はSS-Gruppenfuhler(親衛隊中将)となっていますが、これは明らかな誤りです。 リカルド・ムンク扮する名作戦家のエリッヒ・マルクス将軍をもってしても、ナチズムというファッショ政治によるカリスマ的ワンマンの組織がいかに脆いかを痛感させられる名画です。 後日、アメリカ合衆国のある著名人によって、第二次世界大戦での最強軍団とは、「アメリカ軍の将軍」による戦略を、現場で指揮する「ドイツ軍の将校」に従う、「日本軍の兵士」だと論述されました。 因みに、端役として、「007・ゴールドフィンガー」で敵対するショーン・コネリーとゲルト・フレーベがイギリス軍、ドイツ軍の兵士を演じています。 それにしても、これだけの実在する将兵たちを丸暗記しても世界史のテストにはあまり影響がなかったことを付け加えておきます。

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